あ・軽くいこう
岡野玲子のマンガを初めて目にしたのはプチフラワーに掲載されていた『かけろヘルメス』だった。
確かギリシャが舞台のような気がしたのだけど、それももう80年代のこと。
絵柄は西洋と東洋の雰囲気がミックスしたような不思議な印象を持っていたのだけど、
その後、プチフラワーに連載されたおもしろ真面目な陽平くんが登場する『ファンシイダンス』には
めっちゃハマる。なにしろ修行していたお寺が明軽寺という。
息子に授乳しながら読み返したりしたものだ (それで息子は・・・?)。
マンガの中でDEPECHE MODEの曲が出て来たのも嬉しかったり。
ヘンなんだけど、どこか生真面で一途な人って好きで。
そのツボがお話全体にも効いていて、軽さと重さのバランスが絶妙。
『陰陽師』も連載が続いていてコミックスの続きが待たれるのだけど、
先日『妖魅変成夜話』の3巻が出ているのを発見して、久しぶりに1巻から続けて読んだ。
いいなぁ。岡野ワールド。妖しくて美しい優雅な時間がゆるゆると流れている。
たとえ激しいシーンでも。ためいき・・・
水墨画がもともと好きなのだけど、このマンガは毛筆で描かれているのもまた素敵。
五色の瑞雲がたなびく元に生まれた、おもしろ真面目な李 成潭くんは長安の役所でとんでもない所に
配属され、ますますあやかしや妖怪と出会うハメになる。彼だけではどうにも手に終えず
さまざまに助けを経て、ここぞという所に上司の龍玉将軍が登場する。
将軍は美しく凛々しい。謎めいてもいるが、とても頼りになるのであった。
3巻ではその将軍の謎が明らかになってゆく・・・個人的に3巻に登場したアーチストの朔君、好みです。